寄り添うように2輪で咲く姿が愛らしいリンネソウ。
その姿から「夫婦円満」「変わらぬ愛」などの花言葉を持ち、スウェーデンでは国花としても知られています。
しかし、日本ではその美しさを見られる機会は限られており、「どこに行けば見られるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、リンネソウが見られる日本国内のスポットや、世界の代表的な自生地、開花時期や観賞のコツを詳しくご紹介します。
リンネソウってどんな花?

涼しい気候と湿った森林に育つリンネソウは、見られる地域がかなり限定されています。
- 学名:Linnaea borealis
- 科名:ツツジ科
- 原産地:北半球の冷涼地域(ヨーロッパ・アジア・北米)
- 特徴:地面を這うように伸びる茎の先に、2輪の小さな花がうつむくように咲く
- 開花時期(日本):6月下旬〜7月中旬
乱獲や森林環境の変化によって数も減少しており、自然観察の中でも「見られたらラッキー」な希少花です。
日本国内でリンネソウが見られる場所

日本国内でリンネソウが見られる場所を紹介します。
- 北海道
- 八ヶ岳
1.北海道(道東エリア)
リンネソウの主な自生地として知られるのが、北海道の道東地域です。
針葉樹林や湿潤な亜寒帯気候が広がるこの地域は、リンネソウの生育環境にぴったり。
手つかずの自然の中で見られることが多く、観賞には自然ガイドやエコツアーの利用が安心です。
主な観賞スポット
北海道でリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- 阿寒摩周国立公園(阿寒湖周辺・釧路湿原外縁部)
- 知床半島の登山道や原生林
- 網走・斜里町などの森林帯
2.長野県・八ヶ岳周辺(本州の一部)
本州では極めて限られた地域にしか分布していませんが、八ヶ岳の北部エリアでは確認例があるそうです。
特に白駒池周辺の苔の森は、標高や湿度の条件がリンネソウに適しています。
観光地として整備された道もありますが、林床の奥にひっそり咲いていることが多く、見つけるには運と観察眼が必要です。
主な観賞スポット
八ヶ岳周辺でリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- 北八ヶ岳 白駒池〜高見石周辺
- 森林限界付近の針葉樹林帯
海外でリンネソウが見られる場所

スウェーデンの国花として知られるリンネソウ。
海外ではどこで見ることができるのでしょうか。
- スウェーデン
- ノルウェー
- フィンランド
- カナダ
1.スウェーデン
リンネソウの語源となった植物学者リンネの出身国であり、スウェーデンの国花にも指定されています。
北部の森林地帯に多く自生しており、自然保護区や国立公園などで観賞可能です。
主な観賞地
スウェーデンでリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- ウップサラ近郊の森林
- ラップランド地方の自然公園
2.ノルウェー
北極圏に近く、夏でも冷涼な気候の中で咲くリンネソウ。
日照時間が非常に長く、白夜の中で咲くリンネソウは神秘的な雰囲気を漂わせます。
主な観賞地
ノルウェーでリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- トロムソ(Tromsø)周辺の針葉樹林
- ロフォーテン諸島の森
- スバールバル諸島の限られた植生域
3.フィンランド
トウヒやカラマツ林の林床にしっとりと咲くリンネソウ。
フィンランドの自然保護区内ではガイド付きツアーでの観察が可能です。
夏でも気温は15℃前後と低めで、苔むした地面が広がる場所に多く見られます。
主な観賞地
フィンランドでリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- イナリ(Inari)・ウツヨキ(Utsjoki)などラップランド北部
- ケミヤルヴィ(Kemijärvi)など中部〜北部の森林地帯
- Nellim や Lemmenjoki 国立公園周辺
4.カナダ
トウヒ・モミなどの針葉樹林の林床に群生するリンネソウ。
国立公園内では自然観察用の歩道からひっそりと姿を見せます。
カナダは地域が広大なため、緯度や標高によって開花時期が前後します。
主な観賞地
カナダでリンネソウが見られる主な観賞スポットは、
- カナディアンロッキー(バンフ・ジャスパー国立公園など)
- ユーコン準州のホワイトホース近郊
- ノースウェスト準州のイエローナイフ周辺
- ブリティッシュコロンビア州の森林公園(例:Wells Gray Provincial Park)
リンネソウを見に行く時の注意点

地域によっては、保護植物に指定されているリンネソウ。
観賞時の注意点は以下の通り。
- 採取・踏み荒らしは禁止(希少種です)
- 木道や遊歩道から離れない
- 長袖・長ズボン・滑りにくい靴で観賞を
観賞時は現地のルールに従いましょう。
リンネソウはどこで見られる?まとめ
今回は、リンネソウはどこで見られるのかについて調べました。
観賞地 | 開花時期 | 特徴 |
---|---|---|
北海道・道東 | 6月下旬〜7月中旬 | 群生が見られる可能性あり |
長野・八ヶ岳 | 7月上旬〜中旬 | 限定的で発見には根気が必要 |
北欧諸国(スウェーデン等) | 6月頃 | 林床に点在、文化的価値も高い |
リンネソウは、決して派手な花ではありません。
ですがその可憐さと「そっと咲いている美しさ」は、実際に見た人にしかわからない特別な感動を与えてくれます。
自然を大切にしながら、ぜひ一度その姿を探してみてはいかがでしょうか。
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